2014年12月31日水曜日

心に残るスピーチ

帰省中のスーパーひたちの車内で、小さなiPhoneの画面でブログアップしております。(2021.1.20 加筆・訂正)

その時々で心に残る本や、映画、絵などがありますよね。
ということで、今年、心に残ったスピーチを改めて振り返ってみたいと思います。


まずは、ハリーポッターシリーズのハーマイオニー役が有名なエマ ワトソンさんの国連でのスピーチ。

Emma Watson at the HeForShe Campaign 2014 - Official UN Video

HeForShe というキャンペーンについて。社会的性差(ジェンダー)の問題点を極めて理知的にかつ情熱を持って語りかけています。

このワトソンさんのスピーチを聴いた時、すぐに連想したのが、イブ エンスラーさんの、次の TED でのスピーチです。

Eve Ensler: Embrace your inner girl

The Vagina Monologues (彼女の一番の代表作「膣が語り出す」)で世間の度肝を抜いて以来、とにかく怒りを糧に突き進んできていた印象のあるエンスラーさん。 アメリカ(白人女性)主導のただの男バッシング、いわゆる「man hater 男嫌いのフェミニスト」なんじゃないかというそれまでのイメージから一転。 
「girl cell」という考えをここで彼女は提示しています。

僕の知る限り、女性側の立場の人たちから初めて、ワトソンさんやエンスラーさんは、女とか男とかの垣根を越えた理想を話しています。 
ジェンダーに対して、大学の頃からずっと感じていた疑問や不満が、20年以上経ったここに来て、やっとはっきりしてきたような。


かのミシェル・フーコーさんが語っている「権力」という概念ををリアルな社会に当てはめるとしたら、こういうことなのかも。違うか?


とにかくこれからは、男側から「女のくせに」と考えないようにする代わりに、「男だから、男のくせに」って女性側も思わないようにしないといけないんですよね。
生まれ持った体の性別を基準にして、全人類をあらゆる全てにおいて二分割するっていうことを「みんなで」やめていかないと、あまり明るい未来は来ないんじゃないか。
 
現代のジェンダー構造が続いているのは、女男限らず、人々の多くが無意識に内在して、次の世代につなげてしまっているからなんですから。 だからこそ、貴方が悪い、~がおかしい、と批判するんじゃなくて、わたしが変わる、~を変える、を実践していかないと、と改めて思い直した、そんな2つのスピーチでした。

トークの最後での朗読には、背筋がゾクっとしました。

大事ですよね、生(なま)の生き生きとした感情や血の通う体は。


次は、好感度ナンバーワンな女優 サンドラ ブロックさんの、ニューオーリンズの高校での、卒業生へのスピーチ。

Sandra Bullock 's Unexpected Inspiring Speech To High School Graduates

高校を卒業して、新たな一歩を踏み出す彼ら彼女らに、ブロック節が炸裂します(笑) 
人前では鼻をほじらないこと、と語り心をガッチリ掴んだ後の教訓といい、あんまりあれこれ心配しないこと、と優しく諭すところとか、上手いなー。



↑と比較すると、卒業スピーチとしては異色の、あまりアガらないタイプがこちら。

This Is Water - Full version-David Foster Wallace Commencement Speech

1990年代米文学最高の作家、と評されるらしいデビッド フォスター ウォレスさんの、とある大学での卒業スピーチ。 
聴いてみて、正直で繊細な人だなぁ、と思うと同時に、こんなに繊細で大丈夫なんだろうか?と思ったら、2008年に自殺してお亡くなりなのだそうです… 
 ウォレスさんの人生の何をも知りませんが…

スピーチを要約すれば、あらゆるもの全てを、疑って考え直すことを怠らないことが、真の教育だと言っているんじゃないかと思うんだけど。
頭でっかちにならずに、とも同時に言っているし、ぜひとも、いろんな矛盾をマルっと受け止めて、時には流しながら生き永らえていて欲しかった。

そして次は、そんな矛盾に折り合いをつけながら、ずっと教育者を続けているド迫力の先生からのメッセージ。

Rita Pierson: Every kid needs a champion

納得できなくても何もかもを受け入れて、それでも自分にできることをする。現場を生きている人の言葉は重みが違います。
人と人との繋がりがあるからこその教育。その通りです。


最後は、お馴染み(?)エリザベス ギルバートさんの短めスピーチ。

Elizabeth Gilbert: Success, failure and the drive to keep creating

何があろうとも、し続けること。諦めないこと、諦めないことを続けること。



みなさま、よいお年をお迎えくださいますよう。

そして、これからもよろしくお願いします!